時の間・・・一瞬の間。
本展では全二十巻を初公開するとともに、屏風や絵本なども紹介し、絵画化された徒然草の世界を展観します。
〈現代語訳〉 孤独にあるのにまかせて、一日中、心に向かい合っては消える他愛のない事柄を、とりとめもなく書きつけてみると、妙に妖しくおかしな気分になってくる。
僧侶ぐらいうらやましくないものはあるまい。
「世」はここは世俗的。
真実が嘘かは解らないし、信者は何を言っても嘘を信じないからだ」と言う一方で「神仏が起こしたという不思議な出来事の伝承を頭から否定してはいけない」と、僧侶らしいコメントあり「兼好法師」の相反する気持ちが垣間見れ、現実主義者でありながら哲学思想家の二面性を感じる事ができますね。
『 徒然草 つれづれぐさ 』、 吉田兼好 (よしだけんこう=兼好法師、兼好、卜部兼好)が書いたとされている随筆です。
竹取物語や枕草子と並んで中学の古典の授業で取り上げられる徒然草ですが、教科書で決まって取り上げられるのは相も変わらず「仁和寺にある法師、年寄るまで、石淸水を拝まざりければ、・・・」でしょう。
匂ひなどは仮のものなるに、しばらく衣裳に薫物(たきもの)すと知りながら、えならぬ匂ひには、必ず心ときめきするものなり。
古典嫌いの方はこういった作品からアプローチしてみるのもいいかと思います。
特徴 仮名と漢字の混じった 和漢混淆文 わかんこんこうぶん で書かれた文学作品としては最初のものです。
とりわけその話の中の教訓は町人などにも親しみやすく、身近な文学書として愛読され、江戸期の文化に多大な影響を及ぼしたようです。
女の手足や肌がきめこまかくて、むっちりと脂ののっているのは他の色と違い女の色香だから、そこそこ人間臭さを残していた仙人が心惑わされたのも当然といえば当然であった。
いきおいがさかんで世間に評判が高くなっているのにつけても、(それがべつだんに)えらいとは見えない。
作者は吉田兼好(よしだけんこう)や兼好法師(けんこうほうし)の名で知られる卜部兼好(うらべかねよし)で、彼が48歳頃に、それまで書きためていた244もの散文をひとつにまとめたものと考えられています。
中学や高校の国語の授業で頻繁にとり上げられ、大体において文章自体が長くはなくて気楽に読めるため、慣れ親しんでいる方も多いことでしょう。
成立時期 跋文 ばつぶん=あとがき には、996年頃に源経房 みなもとのつねふさ が作者の家から初稿を持ち出して世に広めたと記載されています。
そして努力や能力だけではどうにもならないことがあることを知り、出世や名誉を得ることに疑問を感じ、30歳頃に出家して世捨て人となります。
娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
後世の世では『名歌人』『能書家』『隠遁者』『辛口批評家』などなど、様々なイメージで語られる「兼好法師」は、9世紀の頃に時の権力者だった「藤原氏」が創建した現在の京都市左京区にある『吉田神社』の神主の血を引く名門貴族の生まれでしたが、後に仏門に下り僧侶として生きた人物。
この男かいまみてけり。
今生きている人の手紙でさえ月日がたって、これを貰ったのはいつどんな時だっただろうと思いをめぐらすうちに、しみじみとした気分に引き込まれる。
地中に埋めたといを「埋み樋」という。
また『嘘』についても独自の意見を持っており、徒然草の中でも随所に語っています。