(F)その場所は、「お嬢さん」にとって「そこにいたことを他人に知られる危険が刻々と迫っている場所」である。
人類学や民俗学の手を借りるまでもなく、森は娘の立ち入る場所ではない。
そして、そばに血だらけの石塊が落ちていた。
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今期もオススメ。
いったん箇条書きで整理してみよう。
ある日森の中 くまさんに 出会った 花咲く森の道 くまさんに 出会った くまさんの 言うことにゃ お嬢さん おにげなさい スタコラ サッササノサ スタコラ サッササノサ ところが くまさんが あとから ついてくる トコトコ トコトコと トコトコ トコトコと お嬢さん お待ちなさい ちょっと 落とし物 白い貝がらの 小さな イヤリング あら くまさん ありがとう お礼に うたいましょう ラララ ララララ ラララ ララララ ここで明らかにすべき最大の謎とは、「くまさん」の不可解な行動である。
くまさんは襲いかかりそうになっていながら、落とし物を見た瞬間に、自分が「お逃げなさい」と言ったにもかかわらず、「お、落としてるがな、こらいかんがな」と追いかけてしまうのである。
それと、「お嬢さん」の様子も不可解である。
「お嬢さん、お待ちなさい、ちょっと落とし物。
これ、こんなもん残しといたらあとでどえらいことになる」 熊田は白い貝殻の小さなイヤリングを差し出した。
くまさん「食うのは忍びないので逃がそう」 お嬢さん「きゃー」 くまさん「お、イヤリング落としてる。
そして友人を見つけては「十数えてやるから逃げろ」といって、逃げる友人を追いかけ回したものだったが、やはり「くまさん」の追跡はそのような嗜虐性とは無縁であると考えるのが妥当であろう。
森への侵入は、男子にとっては通過儀礼の役割を果たすこともあるが、女子(処女)にとっては厳しい禁忌の対象でしかない。
さて、現在学会の主流をなしている「どっちもバカ説」と「別人説」を捨てた今、新たに私なりの視点でこれらの謎について考察を進めねばならない。
私でさえも即座に、「ぞうさん」「アイアイ」「ななつのこ」「いぬのおまわりさん」「うさぎとかめ」「おうまのおやこ」「げんこつやまのたぬきさん」「かもめのすいへいさん」「やぎさんゆうびん」「かわいいかくれんぼ」「はとぽっぽ」「やまのおんがくか」「かたつむり」等々、数多くの童謡が思い浮かぶが、いずれにおいても人間対動物の会話は存在しない(「ぞうさん」の話者は仲間の動物であると作詞者が証言している)。
そして恐らくその分け前をめぐっての殺人なのである。
それも死体となって。