『蝗害が発生した』と。
「し、主上も……」 『……』 壬氏と馬閃は黙るしかない。
「収穫が三割を切るか」 甚大な被害だ。
名前を 天祐 ( テンユウ )と言う。
高順がやるのであれば、息子の馬閃がやってくれればと思うが、生憎、机仕事に向く男ではない。
「壬氏さま」 「なんだ?」 「一人、書類仕事が得意な人間を知っておりますが」 馬閃の言葉に、壬氏は目を見開く。
手元に置きたくないはずだ。
執務室に入ると、壬氏は深くため息をつく。
帝国内乱• 「大河から水を引いているということか」 そういえば、壬氏が生れた頃に、大掛かりな治水工事があったと聞いている。
壬氏の仕事を任せてもいい家柄と忠誠心を持ち、なおかつ器用に仕事がさばける部下が欲しいなんて、贅沢だろうか。
あの女傑は、突拍子もないことをいくつも政策に入れ、実行している。
元々私たちが住んでいた家は、親戚に3年契約で貸しています。
バウマイスター伯爵• 義母さんとしては、どうしたらいいのかわからなくなっています。
「……あ、あの」 天祐がおずおずと手を上げる。
注意をしたらSNSに書き込みをするお嫁さん 『以前、朝に半身浴でお風呂にお湯を張り、昼間は子ども(私からすれば孫)を遊ばせるために、そして夜には汗をかいたからお風呂をためるようなこともしていました。
馬閃は書を開き、眉をぴくりと上げた。
でも状況は日々悪化しているでしょうから、早めに手を打った方がいいのではないでしょうか。
別に文官に渡した金が無駄になったなどとは思わないが、六冊あっても仕方ない。
仕事は丁寧なのだが、生真面目すぎて融通がきかないので、溜め込んでいくだろう。
「ど、どうでしょうか?」 もう離れてくれと言わんばかりに顔を伏せる天祐。
都から近くもないが遠くもない。
持たざる男が、渇望に駆られ世界を巡る。
誰か知っているのだろう?」 馬閃が詰め寄るので、壬氏がそっと制する。
壬氏は考えつつ、どうやったら猫猫を言いくるめる方法があるだろうかと考えてしまう。