【補記】ほととぎすを主題に、鶯などに托卵する珍しい習性と、空を飛びながら鳴くその声の美しさに着目した歌で、虫麻呂の博物誌的な物の見方がよく表れた作と言えよう。
【補記】武蔵国を旅した時、沼の鴨を見て作ったという歌。
同 同 けむりはりうしよくをそへてみるになほあさし、 とりはばいくわをふみておつることすでにしきりなり、 烟 ( けむり )は 柳色 ( りうしよく )を 添 ( そ )へて 看 ( み )るに 猶 ( なほ ) 浅 ( あさ )し、 鳥 ( とり )は 梅花 ( ばいくわ )を 踏 ( ふ )みて 落 ( お )つること 已 ( すで )に 頻 ( しき )りなり、 煙添柳色看猶浅。
余波合力錦江声。
黄泉でお待ちしておりましょう」と、どちらの男を選ぶかについては本心を隠しておいたまま、ひどく嘆いて娘子が死んでしまうと、茅渟壮士はその夜娘子を夢に見、後を追ってしまったので、残された菟原壮士は、天を仰ぎ、叫びわめき、地団駄踏んで歯ぎしりし、相手の男に負けてなるものかと、肩掛けの剣を佩き、あの世まで娘子の後を追って行ってしまった。
なんにしても「袖触れ合うも多少の縁」という言葉もありますので、 再度のご来訪をお待ちしております。
>あなたはどんな時に使いますか? あまり使ったことはありませんが、人間関係はだいじにしていますよ。
碧玉寒蘆錐脱嚢 和早春晴 小野篁 きはれてはかぜしんりうのかみをくしけづり、こほりきえてはなみきうたいのひげをあらふ。
代牛女惜暁更 菅原道真 かぜはさくやよりこゑいよいようらむ、 つゆはみやうてうにおよびてなみだきんぜず、 風 ( かぜ )は 昨夜 ( さくや )より 声 ( こゑ )いよいよ 怨 ( うら )む、 露 ( つゆ )は 明朝 ( みやうてう )に 及 ( およ )びて 涙 ( なみだ ) 禁 ( きん )ぜず、 風従昨夜声弥怨。
その点は次の歌も同じ。
草色拘留座水辺。
三月尽 尊敬 古今 けふとのみはるをおもはぬときだにも たつことやすき花のかげかは 凡河内躬恒 拾遺 はなもみなちりぬるやどはゆくはるの ふるさととこそなりぬべらなれ 紀貫之 後撰 またもこんときぞとおもへどたのまれぬ 我身にしあればをしきはるかな 紀貫之 閏三月 ( うるふさんぐわつ ) こんねんのうるふははるさんげつにあり、 あまつさへきんりよういちげつのはなをみる、 今年 ( こんねん )の 閏 ( うるふ )は 春三月 ( はるさんげつ )に 在 ( あ )り、 剰 ( あまつ )さへ 金陵 ( きんりよう ) 一月 ( いちげつ )の 花 ( はな )を 見 ( み )る 今年閏在春三月。
「伏屋」は粗末な屋根の低い小屋のこと。
2 ~しないかどうか 私は東京に行かないかどうかまだ決めてない。
風襟蕭灑先秋涼。
同 同 ほくとのほしのまへにりよがんよこたはり、 なんろうのつきのもとにはかんいをうつ、 北斗 ( ほくと )の 星 ( ほし )の 前 ( まへ )に 旅雁 ( りよがん ) 横 ( よこ )たはり、 南楼 ( なんろう )の 月 ( つき )の 下 ( もと )には 寒衣 ( かんい )を 擣 ( う )つ、 北斗星前横旅雁。
宮鶯囀暁光 菅原文時 拾遺 あらたまのとしたちかへるあしたより またるるものはうぐひすのこゑ 素性法師 栄花物語 あさみどりはるたつそらにうぐひすの はつこゑまたぬ人はあらじな 麗景殿女御 拾遺 うぐひすのこゑなかりせばゆききえぬ 山ざといかで春をしらまし 中務 霞 ( かすみ ) かすみのひかりはあけてのちひよりもあかく、 くさのいろははれきたりてわかくしてけむりににたり、 霞 ( かすみ )の 光 ( ひかり )は 曙 ( あ )けてのち 火 ( ひ )よりも 殷 ( あか )く、 草 ( くさ )の 色 ( いろ )は 晴 ( は )れ 来 ( きた )りて 嫩 ( わか )くして 煙 ( けむり )に 似 ( に )たり、 霞光曙後殷於火。
万点水蛍秋草中。
日本の国の、重鎮としてまします神であるよ。
解釈としては、「 袖振り合う」も「 袖触れ合う」も一緒です。
[「振り」は 「触 フ り」、 「他生」は 「多生」が 正しい。