カポーティ 冷血 - 『冷血 (新潮文庫)』(トルーマン・カポーティ)の感想(252レビュー)

映画『カポーティ』と、「冷血」というタイトル だが、カポーティにとっては、そんなペリーへの共感によってその後の作家人生を絶たれたという見方もあるようだ。

「異常な人間が異常な殺人を犯すんじゃないんだよ。

そして、逮捕されたペリー・スミスと対面することで、格好の題材を得たことを確信するのだった。

この時にクラター氏を冷たいコンクリートの床ではなくボール紙の上に寝かせ、ケニヨンの頭の下には枕をあてがう等、一定の気遣いを見せている。

私自身 海外文学が好きで、それに加えて ノンフィクションが好き（たとえば殺人事件や飛行機事故などについてのWikipediaを読んだりするのも好き）なのだが、その二つがアウフヘーベンされたのがこの作品である。

なにしろ、『冷血』に描かれているのは実例なのだから…… 「ノンフィクション作品」としての『冷血』批判 ここまで『冷血』の文学作品としての価値・ノンフィクションとしての価値について書いてきたが、『冷血』のノンフィクションとしての価値に疑問を投げかける人もいるようである。

一方は裏口から、もう一方は表玄関から出た。

家族は何人いるのか。

嘘をついたのは、お前の友達のウェルズなんだ。

ある種の法則、理屈、屁理屈など、何らかの筋がとおっているべきだという風な。

そんな彼の脳裏にフロイド・ウェルズの顔が浮かんだ。

カポーティによればこれらの取材ノートはおよそ6,000ページに達したという。

「そういうものかなあ」 「あんたがどう考えていようと構わないけれど、あんたが異常な人間であることは知ってるし、まともに生きていることも事実だろ」 酷い言われようだ。

俺がそれまで奴を信頼し、あんな大法螺を真に受けていたと思うと、はらわたが煮えくり返って来たんだ」 その時に思い出されたのが、先ほど拾った１ドル銀貨だった。