これは危険信号だった。
この行為は「お前は悪い子だ」という意味のルロイ修道士の指文字を、主人公がなぞった、ということになります。
自分が日本人にひどい仕打ちをされても、日本の子どもを憎まず慈しんだルロイ修道士。
半分この物語は筆者の経験も入っているそうです。
私が目を向けるのは、特に二つの教訓をたれているところだ。
現実味を帯びてくるのは、回想の中から引き出されてくるルロイの習慣や癖などを根拠にしているからであって、そこにもまた語り手の中でのルロイの存在を表現するに過ぎない。
朝晩の食事は静かに食うべからず。
(少なくとも語り手の中での握手にはそういった意味合いが強い) それ以上に二人の関係は時を越えて変わらないものの一つと考えられる。
自分が園で関わってきた子どもたちは数多い。
「天国へ行くのですからそう怖くはありませんよ」 「天国か。
しかし平手打ちが待っている。
右の親指を立てて「わかった」、そして両手の人さし指を交差させ打ちつけるのが「お前は悪い子だ」。
二、三日鉛筆が握れなくなってもしらないよ。
私などは個人的な考えでは師という存在かなあと思っているが、学習者には経験が乏しい分難しい問いになるかもしれない。
総理大臣のようなことを言ってはいけませんよ 「総理大臣のようなことを言ってはいけませんよ。
自分を捨てた家族よりも、ルロイ修道士が好きだった。
作中で「ルロイ修道士」と「私」は3回握手をします。
『困難は分割せよ』。
ジュール園長は教え子たちが園や寮を卒業してからも交流をもった。
主人公はルロイ修道士の行為を「この世の暇乞いにかつての園児を訪ねて歩いているのではないか」と捉えているけれど、本当は「暇乞い」以上の意味があったのではないかなと思うのです。
意味は「こら」「よく聞きなさい」• 「握手」もまた、手を使ったサインのひとつで、物語を進める重要な仕掛けとなっています。